大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和25(あ)1292 判決

主 文

本件上名を棄却する。

理 由

弁護人谷忠治の上告趣意について。

論旨中第一及び第二の事項は、原審において控訴趣意として主張されていないの

であるから上告の理由として許されない。のみならず、第一及び第三の事項は刑訴

四〇五条の規定するいずれの事由にも当らない。また、被告人の自白を証拠として

犯罪事実を認定するには補強証拠を必要とするが、それは犯罪事実の全部に亘つて

一々裏付となる補強証拠を必要とするものでないことは当裁判所大法廷判決の示す

ところである(昭和二三年(れ)第一四二六号同二四年一〇月五日大法廷判決)。

それゆえ、第一審判決が犯罪事実を認定するに当り補強証拠としてAの盗難被害始

末書、Bの司法警察員の供述調書を引用している以上、所論知情の点の証拠が被告

人の供述のみであつても所論のように憲法三八条三項に違反するものでないことは

前記大法廷判決によつて明らかである。そして、本件については刑訴四一一条に規

定する事由も認められない。

よつて、刑訴四〇八条に従い裁判官全員の一致した意見により主文のとおり判決

する。

昭和二六年六月五日

最高裁判所第三小法廷

裁判官 升 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判長裁判官長谷川太一郎は差支えのため署名押印することができない。

裁判官 井 上 登

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